見積り依頼のポイント
遺品整理見積もり依頼の鉄則:複数の業者からとる
遺品整理を業者にお願いするときには、絶対に守るべき鉄則があります。それは、複数の遺品整理業者から必ず見積もりをとるということです。
相見積もりをとるメリットは、
- 遺品整理にかかる料金の相場がだいたいわかってくる
- サービス内容を比較でき納得のいく依頼ができる
ことが挙げられます。
相見積もりをとって最安値の業者に依頼する。遺品整理において、これを行うのはオススメできません。
なぜなら、その業者の見積書が必ずしも適正なものであるとはいえないからです。また、業者のなかには、十分な説明を行わず、あとから追加料金を請求してくるような悪質なところもあります。
トラブル事例でもお伝えしていますが、見積もり依頼において、最初に口頭で提示された金額と最終的に見積もられた金額が違っていたという被害報告も独立行政法人国民生活センターが公表し注意を呼びかけています。
それでは、遺品整理の見積もり依頼、どういった点に注意すればいいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ポイント①スタッフの下見には、できるかぎり2人で対応する
見積もり依頼をしたら、遺品整理業者のスタッフが見積もりのために実家などを下見に訪れます。その際、できるかぎりでいいのですが、1人ではなく2人で対応するのがいいでしょう。
遺品整理の相場ですが、一般社団法人遺品整理士認定協会理事長・木村榮治氏の著書「プロに学ぶ遺品整理のすべて」には、次のように記されています。
“大体1ルームで3万円から、3DK で15万円から、一軒家で20万円くらいからと考えておくといいでしょう。”
このように、遺品整理は決して安い頼みごとではありません。また、「15万円から」などと記載されていることからも、これらは最低価格であり、見積額はもっと高くなる可能性があります。
あくまでも一般論ですが、業者によっては、高齢者や女性、若者など相場を知らなさそうな者に対しては、おとなしく提示額で納得するだろうと考え、高くふっかける傾向があります。
できるかぎり、30代以上の男性の家族や親戚にお願いして、一緒に立ち会ってもらうようにします。また、スタッフを、やさしく出迎えつつ、厳しい目でこちらも査定しましょう。
- 見た目、態度に不審さや怪しさはないか
- 言葉づかいは丁寧か
- 説明はわかりやすいか
- こちらの要望や意見に聞く耳を持っているか
- 心を込めて遺品整理をしてくれそうか
など、チェックしていただきたい項目です。
ポイント②すぐに決めない
遺品整理業者のなかには、下見時に契約を急かして迫るケースもあるそうです。もし迫られたとしても、「ほかの業者にも見積もりをお願いしていますので、まずは見積書をください」と冷静にお願いするのが賢明です。
なかには「見積書を出せない」という業者もいるかもしれません。見積書は、どのようなビジネス・商取引においても基本中の基本の書類であり、会社はもちろん個人事業主でも、必要に応じて作成してお客様に提示するものです。
書面で残せないというのは「やましいことがある」「何かをたくらんでいる」そう判断して間違いありません。そのような業者は断るようにしましょう。
そして、複数の業者から見積書が届きましたら、その書類を手元にご用意されて次章を読み進めていただけますと幸いです。
ポイント③見積書はココをチェック
これより見積書のチェックポイントについてお伝えしていきます。
細かく記載されているかどうか
まず、確認すべき項目は料金です。相場や総合計金額も大事なのですが、もっと大事なのは、その明細です。
まずNGなのは「遺品整理業務一式 〇〇円」とだけ書かれた見積書です。また、作業範囲がどこまでなのか明確に書かれていない見積書には要注意です。優良業者の見積書には、サービス内容、作業員数、作業時間、単価が記されているものです。
費用、料金、オプションも記載されているかどうか
不用品をごみとして出す場合の一般廃棄物処理の費用、家電リサイクルの料金、ハウスクリーニングも依頼したのであれば、その旨。これらが見積書に記載されていない場合は業者への確認を行うようにします。
正しく記載されているかどうか
たとえ、細かく費用、料金、オプションなどが記載されていたとしても、最初に口頭で説明を受けた金額と異なっていた場合も、今一度、確認しなければなりません。本当に依頼していいものかどうか慎重に検討をするようにしましょう。
複数の見積書から業者を選定するときのポイント
最後に、複数の見積書のうち、極端に高すぎる業者、極端に安すぎる業者は考えものです。なるべく近似値(相場だと思える)の見積書のなかから、サービス内容、作業員数、作業時間を比較・考慮し、納得のいく業者に依頼をしたいものです。