仏壇処分の際に気をつけておきたいことと費用について
物でありながら、ただの「物」ではない。
それがお仏壇です。
亡くなった方の魂が収められているため、捨てるのにも抵抗を感じますし、いざというときの処分方法が実に悩ましいものですよね。
実は、仏壇の処分には4つの方法があるのですが、その前に一定の供養が必要となります。
ここでは、仏壇の処分と供養の方法、それぞれの費用がいくらくらいなのかという目安について解説していきます。
1.どんなときに仏壇処分をすべきか
仏壇は普通のインテリアではないので、気分によって新調したり処分したりするようなものではありません。
仏壇処分をしなければならない状況について、簡単に確認しておきましょう。
(1)仏壇処分とは
不要となった仏壇を処分することを「仏壇処分」といいます。
ただし、仏壇は単なる物ではなく、故人や先祖の魂が宿るものなので、処分にも一定の手続(供養)を必要とします。
(2)仏壇処分をしなければならない状況
現在では核家族化や転勤といった事情もあり、なかなか生涯一つの仏壇を守り続けるというわけにはいかなくなっています。
仏壇処分が必要となるのは、住居を移した先のスペースの都合などで置けなくなった場合や、子がおらず継承する者がいなくなった場合、仏壇を買い替えた場合など、保有し続けられなくなったときです。
2.仏壇の処分をする前に
仏壇はただの物ではなく、魂の収まるものでもありますから、処分前には気をつけなければならないことがあります。
それが、「閉眼供養」あるいは「魂抜き」「お精抜き」などと呼ばれる供養です。
(1)処分前に行う魂抜き・閉眼供養
仏壇を設置する時に開眼供養をしていた場合、その仏壇には魂が宿ります。
閉眼供養とは、仏壇に宿る魂を抜く供養をいい、仏壇の処分前にはしておくべきものです。
(2)魂抜き・閉眼供養の方法と費用
魂を抜く、つまり閉眼供養を行うには、まず菩提寺に頼むという手段が考えられます。
菩提寺とは、先祖代々のお墓がある寺のことです。
ただ、最近は菩提寺がない、あっても遠方にあるといった場合もあるでしょう。
その場合、宗派に注意してご近所のお寺へ相談してみることをお勧めします。
閉眼供養自体は多くの宗派で対応していただけますが、宗派によっては現世に残る「魂」という概念のないものもありますので、注意を要します。
費用としては、「お布施」という形になるので明確ではありませんが、1~5万円程度をみておくとよいでしょう。
(3)位牌・仏具の処分も忘れずに
仏壇だけではなく、位牌や仏具の処分も忘れてはなりません。
特に位牌は、仏壇と同様に供養の必要があります。
なお、供養を終えた位牌は、お焚き上げや永代供養といった方法で処分することとなります。
3.仏壇処分の4つの方法
仏壇を処分するには、①自分で行う、②お寺で処分していただく、③仏壇・仏具店に頼む、④業者に依頼する、という4つの方法があります。
それぞれの方法や費用目安をみていきましょう。
(1)自分で行う
特徴としては、手続が簡易で安く済むという点が挙げられます。
粗大ゴミとして処分することになるため、具体的な曜日や方法は自治体によっても異なります。相談窓口が設けられているので、訊ねてみましょう。
費用目安としては、3000円程度です。
ただし、仏壇の大きさによっては解体費用がかかることもあるので、注意が必要です。
(2)お寺にて処分
もっとも確実な方法です。ただし、それなりに費用は掛かります。
位牌の供養と同様に、菩提寺もしくは宗派を確認して近所のお寺へ持参すればいいのですが、事前に問い合わせておく必要があります。
費用の目安は、お寺によって異なります。
相場や料金表があるようなサービスとは異なりますので、なかなか直接的に確認しづらいのがネックです。
そんな時は「他の方はどのくらいお納めしているのか?」という聞きかたをすればいいでしょう。
(3)仏壇・仏具店に頼む
近所に懇意にしているお寺がなければ、仏壇・仏具店に処分の仲介を頼むという手があります。これはもっぱら仏壇を買い換える際の方法で、下取りのような形にしてくれるお店も珍しくありません。
費用目安としては、2~10万円ほどと高額になりがちで、閉眼供養も含めるならさらに掛かることを覚悟しておかなければなりません。
(4)業者に依頼する
最後に、処分業者に依頼するという方法があります。
特徴としては費用が明確で、対応がスピーディーという点が挙げられます。
ただ、処分業者といっても様々であり、中には仏壇をきちんと丁寧に処分してくれるかどうかが怪しいところもあります。
そこで、お寺との関係があり、遺品整理士がいる専門の業者だと、確実性が高いといえるでしょう。
費用に関しては、仏壇の大きさや材質によって2~7万円ほどと差がありますが、明確な相場のあるサービスではないため、業者によっても異なります。
したがって、複数のところで相見積もりを取ってみるのも手です。