依頼する前の準備
遺品整理を行うのは、一生のうち数えるくらいしかありません。もちろん、初めてという方も少なくないでしょう。今回は、遺品整理を依頼する前にはどのような準備をすべきかお伝えしていきます。
遺品整理を行うには心の整理が必要
これまで、大切なご家族、高齢だったご両親、最愛の配偶者がお亡くなりになったあと、深い悲しみをこらえて遺品整理を行ってきた方は少なくありません。
- 賃貸住宅だったため退去期限が迫っている
- 相続しても住む予定はなく空き家となるため早々に売却したい
など、差し迫った理由があるのだとしたら、それはそれで仕方がないことです。しかしながら、
- 賃貸ではなく持ち家だった
- 相続後、空き家となるが、しばらくは周囲に迷惑はかからないだろう
と、差し迫った理由がなく、特段、周囲に迷惑をかけるような不安要素もなければ、遺品整理、業者への依頼を焦る必要はないと考えます。
遺品整理は、自分で行うにしても、業者に依頼するにしても、心の準備ができたあとに行ったほうがよさそうです。
一般社団法人遺品整理士認定協会理事長・木村榮治氏の著書「プロに学ぶ遺品整理のすべて」にも、次のように記されています。
“気持ちの整理がついた段階でとりかかるのがいちばんいい”
“一度心を整理して、きちんと時間を作ってから実際の整理に取りかからないと、ただつらいだけの作業になってしまいます。”
大往生の年齢を迎えていて、または余命宣告を受け闘病の末に、お亡くなりになられた場合は、ある程度、身近な人は看取る覚悟といいますか、心の準備ができあがっている、そのような方が比較的、多いのではないでしょうか。
しかしながら、突然の事故や闘病の末にお亡くなりになられた場合は、心の準備がないだけに計り知れない深い悲しみに覆われます。時間が解決してくれるとは思いますが、なかなか身近な人の死を受け入れられず、心の整理もおぼつかないものです。
そのようなときには、本来、遺品整理業者に依頼をするのが得策なのですが…
心の整理ができていないだけではなく、心身ともに疲弊、憔悴しきっているうちは、正常な判断を誤るおそれもありますので、依頼時期を延ばし、慎重に行動されることを強くオススメいたします。
- 遺品整理業者だと思って頼んだのに単なる処分業者・便利屋だった
- 遺品整理業者に貴金属を安く買い叩かれた
- 思い出の品を勝手に処分されてしまっていた
そうならないようにしたいものです。遺品整理の業者比較ナビでご紹介している業者は100%遺品整理業者です。こちらのなかからお選びいただければ単なる処分業者・便利屋にあたることはありません。
遺品整理に関する情報をできるだけ収集する
遺品整理の業者比較ナビでお伝えしている情報だけでも十分なのですが、当サイトがオススメするお役立ち情報源をご紹介しておきたいと思います。
【サイト】独立行政法人国民生活センター
トラブル事例でお伝えしているように、実際に消費者から寄せられた相談事例などが掲載されています。「遺品整理」と入力しサイト内検索をすれば、関連する情報が出てくると思います。
遺品整理を頼むときは、複数の事業者から見積もりを
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen276.html
【サイト】一般社団法人遺品整理士認定協会
遺品整理士について、より詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
遺品整理士について、より詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
【書籍】プロに学ぶ遺品整理のすべて 木村榮治著 WAVE出版
http://www.wave-publishers.co.jp/np/isbn/9784872907575/
とくに、 第一章 親の家を片づける、とは? 第二章 上手な片づけのイロハ では、自分自身で遺品整理を行う場合の心得や具体的方法が書かれています。
また、 「もしも」のためのチェックシート は次章でご紹介する「遺品整理をお願いする範囲や希望をまとめる」作業にかなり使えそうです。
同氏は遺品整理の実際のエピソード、40のコツが掲載されている 遺品整理士が教える 「遺す技術」 豊かに生きるための〝備えと片づけ″ (コツがわかる本!) メイツ出版 も書かれています。
遺品整理をお願いする範囲や希望をまとめる
心の整理がつき、ある程度の情報を収集したら、遺品整理業者にお願いすべき範囲や、遺品をどのようにしてほしいか(形見・供養・処分・買取)などをまとめます。
費用を安くする方法でも、お伝えしましたが、故人様のお部屋のみ、お部屋と書斎のみ、全部など、遺品整理業者に立ち入ってもらう、整理・処分をお願いする範囲を決めます。
また、故人様のコレクションが棚などにキレイに収納されていて明らかに価値のあるものだとわかる場合も、そこだけ範囲から除外します。
さらに、現金や宝石、そのほかの貴重品や骨董品などの有無をチェックし、ピックアップしてひとつの部屋に集めて隔離するなどの準備もできたら、とても理想的です。
遺品整理業者のなかには遺品の整理・処分だけではなく捜索も行ってくれるところがあります。探し出してほしい遺品がないか思い出してみられてください。
遺品整理を機に「そういえば長年、目に触れたことがなかった」「どこにあるのかがわからない」故人様愛用の品、思い出の品がある場合は、その特徴を書き出して、遺品整理士・遺品整理業者に引き継ぎ、探し出してもらうようにしましょう。