遺品整理での遺品の分別方法の5つのポイント

遺品整理において多くの人が悩むのは遺品の分別についてでしょう。個人が存命の間であれば直接本人に聞くことも出来ましたが、亡くなられた後は遺族や業者がその判断をしなくてはなりません。

この記事ではそうした遺品整理の分別について5つのポイントを挙げて解説します。

遺品整理の分別のポイント1「必要性」

遺品整理において、遺品の分別はとても重要な作業となります。一般的に遺品の分別で大きなポイントとなるのが、「必要なものかどうか」という点です。

しかし、遺品整理作業では、分別の対象物の所有者がすでに故人となっているので、必要かそうでないかの見極めが難しい場合があります。遺族に分別の判断を頼めればいいのですが、それができないときは、遺品整理業者が自らの判断基準で遺品を分別し、処理しなければいけません。

こうしたケースでは、故人が生前にどういった生活を送っていたか、どんな性格で何を趣味にしていたかといった情報を集めるため、準備に時間をかけなければならないことがあります。この準備段階で手を抜くと、故人や遺族にとって大切な思い出の品を業者側の判断で誤って処分してしまい、遺族を悲しませてしまうといった事態が起こりかねません。

また、遺品に対して相続や財産の問題が関わっている場合も多いので、遺品整理の前の準備は、可能な限り慎重に行う必要があります。逆にいえば、故人や遺品に関する情報を充分に集めることなく、さっさと遺品整理に取りかかろうとするような業者は、分別作業を重要視していないことがほとんどです。そういった業者は信頼性が低い場合があるので、遺品整理を依頼する際はよく検討しましょう。

遺品整理の分別ポイント2「法的対応の有無」

遺品の分別作業でもう一つ大きな基準となるのが、「法的な対応が必要かどうか」という点です。法律に照らし合わせて処分を考えなければいけない遺品については、届け出などの手続きに期限が定められていることが多いので、なるべく早い対応が求められます。

法的な対応が必要なものとしては、まず印鑑・銀行の通帳・キャッシュカード、さらに年金手帳や年金に関する書類など、故人の預貯金の関連物が挙げられます。それから、健康保険証・運転免許証・パスポートなどの身分証明書関連物、生命保険や損害保険などの保険関連書類も該当します。

加えて、資産価値を持つ貴金属・金塊・有価証券・金融資産関連書類、土地や建造物などの不動産権利関連書類なども法的な対応が必要です。電気・ガス・水道などの公共料金の領収書ならびに請求書、電話やインターネットの利用料金に関する領収書ならびに請求書も対象となります。

そして、借入金についての書類・契約書・証文なども該当します。こちらで列挙したのは主要なものの一部であり、法的対応が必要な遺品は多数存在します。

遺品整理の分別ポイント3「重要性」

遺品のなかには、ほかにも重要度の高いものが紛れている可能性があります。分別作業では、そうしたものを見落とさないことも大切です。

たとえば、遺言書が遺品に交じっているというケースがあります。効力のある遺言書が遺品整理で発見された場合、遺産相続に影響します。もし発見が相続手続き完了後であったとしても、関係者の希望によって相続がやり直しになることもあるので、遺言書の捜索は分別作業において大事なポイントだといえるでしょう。

故人が生前に使用していたパソコンや携帯電話のパスワードも、遺品のなかから見つかることがあります。手帳や小さなメモ、プリントアウトした紙などに何気なく記載されていることもあるため、気づかず処分してしまわないように注意しなければいけません。パソコンや携帯電話のなかには、故人や遺族にとって大切なデータが残っている場合があるので、パスワードの捜索は大きな意味を持ちます。

遺品整理の分別ポイント4「家具・家電」

家具や家電の分別については、主に4つの基準で仕分けていきます。その基準とは、「遺族に引き取ってもらうもの」「査定を依頼するもの」「リサイクルを行うもの」「ゴミとして処分するもの」です。

高級な家具や、最新・高性能な家電は遺族が引き取る可能性が高いものの、置き場に困って結局処分するといったケースも見られます。また、思い出がつまっているからという理由で手元に残しておこうとする遺族もいますが、家具・家電は場所を取るので、やはり後々扱いに困ることがあります。

ですから、遺族は「本当に必要なものか、置き場所は確保できているのか」などといったことをしっかり確認したうえで、引き取りの判断をしましょう。

遺品整理の分別ポイント5「故人の秘密の品」


さらに、「遺族に知られていない遺品」の存在にも気を付けなければいけません。自分だけの楽しみにしていた、遺族に配慮して隠していたなどといったさまざまな理由で、故人が遺族に遺品の存在を明かしていないということがあります。

「遺族は認識していないものの、実は遺族にとって大きな価値を持つ遺品」である可能性もあるので、慎重に捜索・分別しなければいけません。長年の経験を積んだ遺品整理業者なら、こうした隠れた遺品の存在を見抜く目を持っています。しかし、信頼性の低い業者の場合、遺品を見落とした挙げ句に捨ててしまうといったこともありえるため、業者選びは丁寧に行ったほうが良いでしょう。

まとめ

遺品整理は遺族だけで行うこともできますが、多くの場合、「本当に必要なものかどうか、法的な対応が求められるか」などといった基準を明確にするのが困難となります。それから、重要書類や貴重品の捜索が不充分だったり、一見ゴミのように見えて高い価値を秘めている遺品を見逃したりといったリスクも高くなります。

そのため、遺品整理が必要になった際は、プロの遺品整理業者に依頼し、確かな基準に則った分別作業を行ってもらうのが賢明です。