災害に備える遺品整理・生前整理

かつて将来的に地球温暖化していくことは明らかとなっていましたが、当時の私たちはピンとこず、危機感を抱くことも少なかったはずです。

そして「まさかこんなに暑くなるなんて思いもしなかった」というのが本音でしょう。

国立環境研究所 地球環境研究センターが2013年の時点ですでに、近年の高温や頻繁な大雨の背景には地球温暖化が関わっている旨、発表していたのですが…

・昨年の九州北部豪雨

・今夏の西日本豪雨

これからも大雨や豪雨に備えなければならないでしょう。

平成29年7月の九州北部豪雨の惨状をニュース番組などで見て衝撃を受けていたのですが、また今年、平成30年7月豪雨が発生しました。

平成29年7月の九州北部豪雨の被害詳報で印象に残ったのが公道を塞ぐ大量の流木でしたが、平成30年7月豪雨の被害詳報を見て強く印象付けられたのが、水浸しになってしまった大切な品や思い出の品を目の前に涙を流す人たちでした。

(昨年の九州北部豪雨で大切な品や思い出の品を失った方も多いと思います。)

そして異例の進路を遂げた台風12号による高波でホテルレストランの大きな窓が割れたニュースにも衝撃を受けました。

地震や火事だけではなく、大雨で家が倒壊または床上浸水する、台風による高波で窓が割れ水浸しになるなど、私たちの家財はいつ流されても、台無しになってもおかしくはありません。

大切な品や思い出の品を奪われた喪失感は計り知れません。今現在、ご両親がお亡くなりになり実家に家財が置かれたまま空き家状態になっている方はもちろん、災害等で失いたくない品がある方は1日も早い整理をオススメします。

通常は死後の遺産管理をやりやすくすることが目的とされる生前整理ですが、今後、災害から大切な品、思い出の品を守る生前整理も必要になってくるのではないでしょうか。

そこで今回は、災害に備える生前整理のご提案です。遺品整理後の形見分け、大切な品、思い出の品の保管方法としてもご参考ください。

 

災害で大切な品や思い出の品を奪われない生前整理方法

この世に1つしかない大切な品や思い出の品は防水保管

写真やアルバム、卒業証書や作品、衣装など、ずっと取っておきたいものは飾っておくのもいいのですが一度、1カ所にまとめて防水ボックスや防水バックと呼ばれるものに収納してしまうのはいかがでしょう。

これらはなるべくご家庭のなかで高い場所、屋根裏部屋、ロフト、押し入れの天袋、クローゼット上部など地震が発生しても落下しないような場所に保管してください。

火事による消失が心配な方は、防水ボックスや防水バックごと耐火金庫に入れて保管するのも一手です。

写真やアルバムはコピーまたは撮影し複製

写真やアルバムは予算が許すかぎり再度、機械でプリントし、1部は閲覧用、1部は保管用として前出の防水ボックスや防水バックにて保管するようにするのはいかがでしょう。

フィルム写真など昔の写真は、ご家庭にスキャナ付きプリンターがあればスキャンしデジタルデータ化しパソコンに保管します。

なければお手持ちのスマートフォンのカメラで撮影しデジタルデータ化しておくのも、気軽にできるひとつの方法です。

卒業証書など紙製のものはラミネート加工するという方法も

卒業証書や合格証など紙製のものは、ラミネート加工するという保管方法もあります。水がかかっても平気で、折ったり変な力を加えたりしてシワになることはあっても、通常の取り扱いで破れることはまずありません。

自前でラミネーター(機械)を購入して加工する方法もありますが、よほど慣れた方でないと圧着時にシワができるなど失敗しやすくなりますので、最寄りのラミネート加工業者に依頼されたほうがキレイに仕上がります。

ただ現状、家財が多すぎて、大切な品や思い出の品がどこにあるのかわからない場合は、業者にお願いして、整理してもらう方法もあります。

業者に生前整理をお願いするメリット

貴重品探索をしてもらえる

多くの家財のなかに埋もれて見当たらなくなった

・現金やカード

・年金手帳

・通帳や印鑑

・写真アルバム

などを探し出して報告してくれます。

リサイクル商品として買取してもらえる

生前整理の費用もかかりますが、業者のなかにはリサイクルショップなどと提携または自社運営していて、不用となった家財を買い取ってくれます。

その分、費用が安くなるのですが、整理中に思いがけない現金やお宝が見つかり、手元にお金が残ることもあります。

ハウスクリーニングをしてもらえる

遺品整理・生前整理業者の多くがオプションでハウスクリーニングを実施しており、エアコンも掃除してくれます。

家財が減り快適な生活を送れる

生前整理では不用な家財もお願いすれば引き揚げ、処分してくれます。これまで確保できていなかった生活動線(部屋のなかにおける移動ルートのようなもの)ができるだけでも暮らしやすくなります。

 

これからは災害に備えた生前整理も増えるのでは

災害で失った家財を取り戻すことはできません。また何を失ったのかも把握できません。

今手元にある家財をわかるうちに整理してリスト化し、大切なものはすべて防水ボックスや防水バッグなどに入れ保管し、万が一の災害に備えるようにしましょう。