喪中の時に喪主は何をすべきか?注意しておくべきこととは

近親者が亡くなると、一定期間亡くなった人の死を悼み、世俗との交わりを避けて暮らすこととなります。この期間を「喪」といい、現在では地方の慣習や家例、宗派などによって長さは様々に異なります。

ここでは、喪主は喪中の時に何をすべきか、また、してはいけないことや注意点について解説をします。

1.喪中とその過ごし方

いつからいつまでが「喪」となるのかは、慣習などによって異なりますが、一応の目安はあります。

まずは喪中の過ごし方を一通り確認しておきましょう。

(1)喪中期間の目安

亡くなった近親者との続柄や関係により、喪中期間は違ってきます。

かつては「服忌令」(明治七年発令)という法で定められていたのですが、現在では公的な規定は存在しません。

喪に服すべき近親者の範囲としては、二親等を目安とするといいでしょう。

亡くなった方が「父母」「配偶者」「子供」だった場合、13ヵ月が喪の目安となります。

また、「兄弟姉妹」や「祖父母」であれば、おおよそ150日です。

なお、喪中においては、さらに「忌」という身を慎む期間もあり、仏教では亡くなってから49日、神道では50日が忌中にあたるとされています。

(2)喪中をどう過ごすか

かつては喪中には喪服を着用し、家から出ずに酒肉や殺生を断って過ごしていました。

しかし現在ではそこまで厳密ではなく、忌明けまで祝い事や遊興は避けるのが一般的な過ごし方とされています。

2.喪中期間の行事や催事への対応

喪中にはめでたい催しや祝い事を避けるのが基本です。

では、正月やお中元・お歳暮の贈答、結婚式などの行事や催事の際にはどのような対応をすればよいのでしょうか。

(1)正月

初詣を避けるべきは、喪中というより忌中です。

仏教には死を「穢れ」とする考え方がないため、本来は参拝しても構いません。

ただ、気になるのであれば、49日の間は控えるようにするといいでしょう。

また、おせちや祝料理を食べたり祝箸を使用したりといった点も気になるところです。

これらは元々新年を祝う意味合いを有するものですので、やはり控えたほうがいいといえます。

同様に正月飾りも避けるようにしましょう。

迷うのがお年玉ですが、お子様などが期待するものでもあるため、渡す場合には祝袋以外に入れるようにします。

(2)お中元・お歳暮・諸見舞い

お中元やお歳暮といった贈答品については、贈るのも受け取るのも問題ありません。

ただし、香典返しと被らないようにだけ注意しましょう。

これらと同様に、暑中見舞いや残暑見舞いの贈答も差し支えありません。

なお、性質上例外的な対応として、快気祝いは忌明けないし喪明けに行うように配慮するといいでしょう。

(3)結婚式

めでたい催事の代表格としての結婚式は、参列すべきかどうか悩むところです。

これについて、喪中の参列は基本的に控えるべきといえます。

とはいえ、お付き合いの関係上どうしても参列しなければならないときは、敢えて喪中であることを伝える必要はありません。

他方、結婚式を執り行う場合はどうかといいますと、これは控えるべきです。

しかし、日程や関係者の都合などであまり延ばせないときには、少なくとも忌中の開催は避けて、49日以降に行うようにするといいでしょう。

3.喪主としてすべきこと

喪中に喪主が行うことは、基本的に挨拶や連絡と返礼です。

それぞれにタイミングや形式、マナーがあるため、気を付ける必要があります。

(1)喪中である旨の連絡

身内の死亡報告と喪中欠礼の連絡、年内にお世話になったことへの感謝を、喪中はがきに記すようにします。

送付は、11月中から12月初旬までには到達するようにしましょう。

ただ、喪に服する範囲はあくまで二親等が目安となり、取引先や会社関係など、公的な関係の相手には年賀状を送っても構わないとされています。

なお、「死亡通知」と「喪中欠礼」は似ていますが、その役割は異なるものです。

死亡通知は、代表者名義で故人の関係者に故人の死亡を知らせるものです。

これに対して喪中欠礼は、個人名義で自分の関係者に自分が服喪中である旨を連絡するものです。

取り違えることのないように気を付けましょう。

(2)年賀状・喪中見舞いへの返礼

喪中でも年賀状が送られてくることはあります。

この場合には、松の内(元旦から7日もしくは15日まで)を過ぎてから、寒中見舞いとして返礼を行うようにしましょう。

また、喪中見舞いをいただくこともあります。

これに対しては、御礼状を出すという形で返礼を行うようにし、品物までは送る必要はありません。

あくまでも相手に御礼の気持ちを伝えることが大切です。

(3)香典返し

喪中に用意しておきたい事柄として、香典返しもあります。

香典返しは忌明けに行うのが一般的ですが、キリスト教の場合はカトリックなら30日後の追悼ミサ、プロテスタントなら1ヶ月後の召天記念日というタイミングでお返しをするといいでしょう。

ポイントとしては、消え物を選ぶことと、祝い事に使うようなものは避けることです。

お茶や海苔などが定番ですが、タオルや石鹸も候補として挙げられます。

近年では香典返しにもカタログギフトを贈るケースがありますので、選択肢を広げたい場合には検討してみてもいいかも知れません。

まとめ

今回は、喪中の時に喪主がすることや注意事項についてご説明してきました。

喪中期間は慣習や宗教などによって異なりますが、基本的に祝い事を控えることとされています。

ただ、現代で一律に祝い事を控えるといっても難しいので、行事や催事への対応については個別に判断する必要があるでしょう。

また、喪主の仕事としては挨拶や連絡、返礼が主となるため、形式やマナーに注意することが大切です。