特殊清掃について詳しく

特殊清掃には、主に

  • 消臭作業
  • 害虫駆除

の2種類があります。

今回は特殊清掃の2つの作業にクローズアップして、清掃員、遺品整理のスタッフが、どのように特殊清掃を行っていくのか、まとめます。

プロの仕事-消臭作業

消臭作業が必要となるお部屋やお宅とは?

消臭が必要となる遺品整理の現場は、悪臭が漂い蔓延している、マスクをしても息を止めなければ、とてもその場所に、じっとしていられない。そのようなお部屋、お宅ということになります。

高齢で一人暮らし、いわゆる汚部屋で生ごみを放置していた方、ゴミ屋敷に住まれていた方、何匹もペットを飼われていた方のお宅、家族と同居、介護支援を受けられていても、寝床での排泄介助が必要だった方のお部屋などは、遺品整理を行うときは、その前に消臭作業をしたほうがいいです。

孤独死をされてしまった方は、発見された段階の腐敗や周囲環境の状況にもよるのですが、死臭が発生しています。

死臭はかなり強烈で、洋服や体に染みつくと、洗濯をしても、何度も入念に洗体し入浴をしても、なかなか取れません。

そのニオイを除去するために死臭専用の消臭剤を置いたりもしますが、即効で消臭するために、消臭と消毒も行える薬品を用います。消臭と消毒も行える薬品というのは「二酸化塩素」です。

二酸化塩素とは?

二酸化塩素は気体(ガス)で、塩素同様、刺激臭があります。強い効能があり、ウイルスの除去、除菌、消臭、坑カビなどにいいとされています。

プール(遊泳用)や浄水処理現場の消毒、バイオテロ後の建物除染や空間除菌に使われており、水中に投げ入れる個体(タブレット)から液体、ガスまで使用目的や用途に応じて、さまざまな薬品形態を有しています。

もちろん、孤独死、ゴミ屋敷、遺品整理の現場で用いられるものは、健康に悪影響を与えない基準値まで濃度を調整したものですので、安全なのですが、特殊清掃を行う者は、事前に研修を受け、適切な取り扱いを頭に叩き込んでいます。

他の清掃現場でも使い慣れているからこそ慎重に取り扱えるもので、やはり何もわからない方がカンタンに取り寄せて使用するのはオススメできません。

やはり、特殊清掃業者に消臭は依頼されたほうがいいでしょう。

遺品整理の現場ではダブル消臭

遺品整理の現場では、作業を行い、不用品や不要な家財道具を外に搬出して処分しなければなりませんので、悪臭が拡散し、ご近所迷惑にならないよう、周囲から苦情が来ないように消臭作業が先となります。

まずは、作業ができる状態になるまで二酸化塩素で、部屋の悪臭を取り除きます。そのあと、孤独死のご遺体があった場合は、腐敗した体液などを取り除きます。そして、部屋の家財道具などをすべて搬出して、ここからまた、部屋の隅々に余すところなく二酸化塩素を噴霧し、徹底的な消臭と除菌を行います。

このようにダブルで消臭を行っています。

プロの仕事-害虫駆除

孤独死の現場やゴミ屋敷には、ゴキブリ、ウジ虫、ハエが大量に繁殖していることがあります。

もちろん、放置するわけにはいきませんので、駆除剤を用いて殺虫していきます。

もし、ドアや窓を開放し、害虫が周囲にワーッと拡散して、近所迷惑やクレーム、隣家に入り込むなどの被害に発展したら… と心配されるかもしれませんが、ご安心ください。

逃げ出そうとする害虫が、触れるだけで死んでしまうような駆除剤もありますので、地面に散布または壁面などに塗布して害虫が外に逃げ出さないように退路をシャットアウトします。

その後、発生源を中心に、現れたゴキブリ、ハエ、ウジ虫などに直接、駆除剤を噴霧し退治していくのです。もちろん、部屋の隅々に噴霧して根こそぎ駆除します。

強力な駆除剤は一般販売されていない

薬局やインターネット上の通販サイトを探せば、殺虫剤や通常の駆除剤は販売されているのですが、害虫駆除などを業務として行う専門業者が使用しているのは、原則として、一般市民が気軽に購入できない強力な駆除剤です。

メーカーも専門業者にしか販売しないようにしているので、単なる遺品整理を行うだけの業者で、ハウスクリーニングや特殊清掃を行わないような会社には売らないでしょう。

強力駆除剤使用は依頼者様の承認を得てから

もちろん、通常の駆除剤を使用することもありますが、害虫の種類、量によっては、強力な駆除剤を使用しなければなりません。

その場合は、前もって依頼者様に、経緯や理由を説明し、実際に使用する薬品も確認いただき、ご納得いただけた段階での使用となります。

長年の経験や知識で、即断し、容赦なく強力駆除剤を使用するのではなく、依頼者様の事前確認を経て、承認を得てから駆除する。これがプロの仕事です。

まとめ

手に負えない悪臭や害虫駆除は業者に

付け焼き刃的に市販の消臭剤や殺虫剤を購入して使用するのもいいのですが、効果を得られないことが明白な手に負えない悪臭や害虫の駆除は、ぜひとも特殊清掃サービスを用意している遺品整理業者にご相談ください。